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(春のくせに少し肌寒い本日。じんわりと足元を温めるコタツの「弱」の熱は、色んな意味で思考力を奪う。何故己は見知らぬ翁の自宅でコタツに入っているのかだとか。周囲にいる子猫やら子犬やら…まさかのペンギンといった動物たちに最初こそドン引いていたのだが、そのうち彼らが己に近づこうともしなければ思い思いにそれぞれが穏やかにまったりとコタツを堪能しているうちに、すっかりとその一員になってしまっていることだとか。様々な疑問も、この魔性の器具にかかってしまえば思考力を低下させるには充分で結論的に申し上げれば、全てが「ま、いっか」となるのが不思議だ。みかんみかんと己と動物たちを置いて行ってしまった翁、ますますそこは静寂のまったり空間。時折猫がにゃーと鳴いたり、犬がわんと鳴いたり、ペンギンがくえぇと鳴いたり、それすら流れる視たこともない刑事ドラマと一体化しBGMとして脳が処理していく。コタツのテーブルに項垂れるように上半身を預け、)……やっべ、抜け出せねー…、どうしよ。(当初長居をするつもりはなかったのに、と蜂蜜は眠たげに細まり、欠伸をひとつ。ふと視界に止まったのは年代もののテレビゲーム機。ゆるり起き上がり、こたつから抜け出…すのはさすがに気が引けて、腕を伸ばすも届かない。かろうじて指先がコントローラーに触れただけ)…無理。(ぱたり、と力尽きる。そもそも立ち上がればいいのだが、抜け出すことを考えさせないこのじんわりとした温かさが罪なのだ。)

2019/04/25...Thu // 15:18:28

杠霧人
コタツ / /コタツの前は火鉢とか囲炉裏とか使ってたんでしょ。…え、いやもしかしてこの島だとそれもまだ現役?

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(四月も間も無く終わるというのに、衣替えも済みつつあるのに。この所寒暖差が激しく、その日は少しひんやりしていた。客足が増える前にと確保した休憩時間、引っ掛けたコーチジャケットの袖に口元を埋めつつ。ぷらぷらと行く当てもなくうろついているところを、人好きのするおじさんに捕まった。寒そうだねと声を掛けられて、自身の両腕をさすると。)びみょーに寒いよ〜〜。もう春なのにね。……え、こたつ?おじさんちはまだ出してるんすか?──行く行く〜〜。みかんも食う。(しばらく散歩する予定だったが、炬燵の魔力には敵わない。浮き浮きと上がり込んだ御宅にはいまや稀に見る炬燵が鎮座していて、和やかな雰囲気を作り出していた。机上には山盛りのみかん、レトロなゲームが取り囲むテレビからは刑事ドラマが流れている。どうしてか動物も沢山いて、子猫はみゃあみゃあと己の脚をよじ登ってきた。彼らもおじさんに誘われたのだろうか。子猫をあやしながら、いそいそと炬燵に入ろうとして。ゲーム機に手を伸ばしながら力尽きる、先客の姿にようやく気が付いた。)………あれ?杠くんっしょ?あ〜〜、やっぱり杠くんだ〜〜。(炬燵に半身を食われたまま、其処に倒れているのは確かに友人だ。まだ炬燵の熱に蝕まれる前の身体は自由が利く。向かい側、即ち彼のほうへと回り込んでは──嬉しげなへらへらをぴたりと止めて。)てゆか起きてる?寝てる?………ゲームしたかったのかな?(彼は寝ているかもしれないと、声量は控えめ。彼がちょこんと触れるコントローラーをそっと手に取れば、かちゃり、一度だけボタンを押した。)

2019/05/11...Sat // 12:23:53

月下直緒
家によってはあるんじゃねえかなあ、囲炉裏とか良くね?ロマンじゃね?

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(指先に触れるコントローラーの無機質さもいつしか気にならなくなって、ああいっそ昼寝でもしてしまおうかとまろんでいた思考は、不意の人の気配に現実へと引き戻される。――が、ダメだやはり動きたくない。まさしく恐るべし炬燵パワーである。誰でもいいや、こうして穏やかにまどろんでいられるならと礼儀など素知らぬ風に挨拶する素振りもみせず相変わらず横たわっていたのだが…、聞こえた声は見知った色をしていて身じろぎをひとつ。薄らと開けた目の端に留まる金色で其の人が彼だと理解する。気付けばコントローラーは己から離れて彼の手へうつり、テレビから響くのは軽快なBGMとヒゲ親父ブラザーズの所謂カーレースゲームの画面である。むくりと僅かに起こした上体、だらしなく頬杖をつきつつ)起きてる。つーか月下くんが来なかったらヤバかったかも。(あと数十分遅ければきっと己はこの獣だらけの室内にも関わらず、意識を失っていたことだろう。今は互いに干渉せず成り立っているアニマルたちとの距離感が意識を夢にぶっとばしている間に変わらずとも限らない。)いや、ここの動物達結構大人しいじゃん?こっちにすり寄ってこねーからオレもこうして普通に炬燵に入ってられるけど、いつ気が変わって襲い掛かってくるかわかんねーじゃん?(目覚めた瞬間、眼前に猫パンチを喰らう恐れだってあるのだ。ぶる、と身を震わせる青年の面持ちは本気の其れだった。)ほんと炬燵怖いね、アニマルリスクあるって分かってんのにまだ抜け出せねーや。…つーか電源ついてたんだ。あ、この赤と緑の知ってる。月下くんはゲームすんの?(蜂蜜を向けるとと煽るように緩く笑って)眠気さましに華麗なテクニック、オレにみせて。

2019/05/26...Sun // 21:25:24

杠霧人
囲炉裏は灰の管理と大変そうだね。にしてもロマン…?ふふ、囲炉裏からなんか始まったり?

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(転寝の真っ最中だろうか。炬燵の周りは賑やかなのに、彼は横たわったままだ。久し振りの邂逅、積もる話はあるけれど、自然と彼の目が覚めるのを待とう。気まぐれな子猫を解放して、ゲーム画面へ切り替わったテレビに注目するなか。もぞもぞと物音がして、振り向くと彼が頬杖をついていた。起こしてしまっただろうかと眉間に寄せた僅かな皺は瞬く間にほどけて、そもそも眠っていなかったらしいと胸を撫で下ろす。ついでにへらへらと締まりのない顔も取り戻しては、)んじゃおはようじゃねーか。てゆかなんでやべえの、寝ちゃってもいいじゃん。風邪は引きたくないから?(好き好んで風邪を引く者はいないだろうが──炬燵で眠ると風邪を引く、よく聞く忠告だ。彼も社会人のはずだし、おいそれと休暇を確保することはできないだろう。胡坐をかいては腕を組み、当て推量を口にしたが。どうやら外れと見た。続く話にふんふんと頷き、間も無く意外そうに目を丸くする。彼は炬燵を取り囲む動物たちを警戒しているのか。いつも飄々とした印象の彼だけれど、そういえば虫も苦手なんだっけ。なんだかちょっぴり親近感、隅のほうでくうくうとちいさな寝息を立てる子犬に目を遣りつつ。)……ヤなんだ、動物。確かに人馴れしてるわりにはあんまり近付いてこないよね〜〜、人間より炬燵のほうがいいのかな?襲い掛かってくるっつってもライオンじゃねえしさ、んな警戒しなくたって大丈夫だよ。いざとなりゃ俺もいるじゃん。(とは言うものの、何やらぐらつくたまごが何を誕生させるか──慎重な彼とは違い、軽薄な男は笑みを深めた。)そんなにやばい?俺もはやく入りてえ〜〜!てゆか抜け出さなくていーじゃん、しばらくお喋りしようよ。だめ?うん、するする。友達んなかでもそこそこ強かったよ。杠くんは?島の外だともう古い機種だよな、これ。(話題とともに視線を振れば、挑発的な蜂蜜色とぶつかる。)きっとこんなに上手だったのってびっくりしちゃうよ、ご覧に入れましょう!あとで対戦しようね!(ふふんと口角を持ち上げれば、彼の斜向かいに腰を下ろす。「あっ、炬燵ってやべーな……」と蠱惑的なまでの温もりに包まれながら、慣れた手付きで操作していく。レースの滑り出しはまずまずだ。)

2019/06/08...Sat // 22:02:22

月下直緒
手間は掛かりそうだな、昔のもんだし。風情がある?っつーの?恋でも始まったら素敵だよね〜!

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(炬燵のあたたかさと彼の緩んだ笑顔がまざると眠気を助長してくる気さえして、指の甲で目元を擦り刺激を与えて今もなお自身を誘惑する眠気との闘いは小さく繰り広げながら)ちょい横になってただけだよ、親しくない爺さんの家で動物に囲まれながら昼寝とか…警戒心…ふわぁ、なさすぎでしょ。月下くんは?あの爺さんの孫とか?知り合い?それとも炬燵に誘われてきちゃった系?(合間に欠伸が零れるのだから言葉に説得力が見られるはずもなく、久しい邂逅の友人が此処にやってきた理由で会話を繋ぎながら生理的に滲んだ涙幕を袖口で擦り、問いかけに小さく頷く。)見てる分には良いんだけどね、なんつーか近づかれるとどうしていいかわかんねーってなるよ。触っていいのかほっといてほしいのか。噛みつかれるかもしれねーし、動物って変な病気とか色々持ってるし。でも此処にいるやつらは大人しいね。だからつい油断して寝そうになってたよ、あぶね。しかも…(言葉は続かず、ぐらつくテーブルの上のタマゴを見る。そうこの存在が一番恐ろしいとばかりにジト目に見つめ)こんなモンまであんだぜ?……どうする?寝てる間に妙なモンが飛び出てきたら。寝てたら月下くんを盾にするのも出来ねーでしょ?(盾発言は流石に冗談であるが、彼が守ってくれるということであればそれに遠慮などするはずもなくお言葉に甘える気満々の所存の人形師は、「オレが逃げる10秒くらいの時間は稼いでよ?」なんて軽口零し)誰かと話してた方が起きてられるからオレも有難いかも。へえ、何系が得意だったの?格闘?RPG?パズル…って感じじゃなさそうだけど。…レトロ商品のとこに置いてあったかな。この機械で遊んでるクラスメートはいなかったかも。(ゲームの腕は如何ほどとの挑発にも自信満々の様子に此方も少しばかり目が覚めた。)そりゃ楽しみ。後々の対戦の為に、月下選手がどうやって相手を蹴散らすのかオレも研究させてもらうよ。(ゆっくりと上体起こし、テーブルに頬杖ついて細まった蜂蜜はテレビ画面のレースを追う。「負けてもコタツを言い訳にすんのなしね、」と笑い声にてエールを送りながらしばし彼の華麗な指さばきを眺めつつ、なるほど豪語するだけある。彼は確かに上手く、NPC達を次々追い抜かしてあっという間にトップへと踊りでていた。軽薄に囃し立てる口笛はゲームのBGMに溶け込んで)やるねえ。

2019/06/16...Sun // 07:40:29

杠霧人
囲炉裏と?……え、オレ無機物相手はちょっと。





※半角英数字4-8文字

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