（ダッフルコート姿の少年が公園のベンチに座り、凧揚げに興じる子供たちを眺めつつ両手でコーンポタージュの缶を包んだり転がしたりしていた）
あー……あったけえ。
（この島では年末年始の里帰りも何も無いので、皆それぞれの正月を島内で過ごしている。自分も御多分に漏れず初詣は夜中に二年参りを済ませて、家で雑煮を食べのんびり過ごしていた。午後はゲームセンターで初遊びでも…と思って家を出たものの、ゲームセンターも今年は年始休みを導入したとかで休業であった。「本土でもこのところ年末年始の営業をやめようかって流れがあるとかないとか」とゲームセンターの店長が言っていたのを思い出した）…でもここ本土じゃねえじゃん。ヨソはヨソ、ウチはウチってやつじゃねーのかよ……どーすんだよこの、遊びてえっつーパッション？ の行き場、火ぃついたモンはそう簡単に消えねーぞ。
（元日から友人の家に乗り込むのも少し躊躇われる。そんなわけでとりあえず公園で時間を潰しているのだが、遊びたいという意志は最初の勢いこそ削がれたが未だ火は消えず。誰の家に行くか……と、早くも「親しき仲にも礼儀あり」などと考えていた遠慮が薄れて級友の顔を次々と脳裏に思い浮かべ始める。眼前の子供たちが賑やかに遊ぶ様子を見るともなく見る、両掌に挟んだ缶はだいぶ温くなっていた）
……平和だなァ。今年は外から面倒が来ねえといいんだけどな。

2019/01/01...Tue // 19:12:00

あ、新サンだ。こんちゃーっす、あけましておめでとござまーす。今年もよろしくッス！
（呼び掛ける声の方を見ると、手を振りながらこちらに向かってくる人物。じっくり話したことこそ無いが、運び屋という職業もあって彼が愛車で走る姿は島中至る所で見ている。新年の挨拶…にしてはカジュアルに過ぎるものだが、答える）
やー、その二択なら散歩ッスかね。家でテレビ見てモチ食って、ゲーセンでも遊びに行くかなって思ったんスけど。今年は年始休みだったんスよね。ゲーセンは空振っちまったけど、やっぱ遊びたくて外に出たわけだし…こう、遊びたいって情熱のやり場がなくって。こうなったらダチん家に押しかけるかなってトコまで考えてたんスよね。新サンも仕事は年末年始忙しい系ッスか？ バッチリ休み？
（温くなったコーンポタージュの缶を一際強く両手で転がし、タブを引いて開けるとそのままぐいっと飲み始める。もたもたしているとコーンの粒があらかた沈んでしまう。豪快に飲み切ると、ぷはあ、と何故かビールでも飲んだかのように息を吐く。公園、と言うより広場に近い敷地では凧揚げから羽根突き、サッカーなどなど子供がめいめい遊んでいる）
結構外で遊ぶ連中多いンすねー、寒いし家でゲームでもしてんのかと思った…あ、正月だから家のテレビは家族やらご近所サンやら集まって囲んでんのか。そしたらゲームどころじゃねえか。うはは。
（カコン、カン、コン。羽子板の快音が響き冬空には凧が映える。子供たちの健全な正月ぶりに感心しつつ、空になった缶をそのまま手慰みに両手で挟んで転がし）

2019/01/06...Sun // 22:22:45

オレはクレーンで菓子とかぬいぐるみとか取るのもやるし、格ゲーとか音ゲーとか片っ端からやりますね。クレーン系はもうちょい奥だとか手前を崩せとか交代しろとか、みんなして騒ぎながらやるのもイイし。
（菓子なら普通に店で買えば事足りるのだが、ビデオゲームに至っては物が残るでもなし、体験に対して100円玉を投入しているのは重々承知。ゲームセンターという場所が好きなのかも知れない、と答えながら思った）
ポケベルで一声かけりゃ済むンすけど、そうその、誰かしらいるだろって。新サンはバッチリ正月休みなんスね、じゃー4日からバリバリ頑張るために休み満喫中って感じっすか！
（いい飲みっぷり、と酒を呷ったような褒め方に思わず吹き出す。「コンポタの缶ってどーしても粒が残りますからね、粒を浮かせてその勢いで」とサムズアップを返して）
ガキのテンションで遊んでたら熱くもなるでしょーし、子供は風の子ってそんなのもあるかも知れないスねえ。前に聞いたんスけど、大人は火の子つってコタツとか暖房にベッタリって意味らしいッス。風呂であったまってたら水の子なんスかねえ。
（一緒に遊ぶかと問われると、ニヤリと笑ってベンチから立ち上がる。「どっちにしろ遊びに出てきたし、正月らしく羽根突きとかもイイっすね」と、両腕を空に向かって伸ばし）
よーし、響咲のフェデラーと呼ばれたオレの羽子板テク見せてやるぜー！…新サンは？ もう少し休憩してます？ それともまだまだイケる感じスか。
（訊ねるとも誘うともつかない問いかけだが、一緒に子供たちに混じって遊べたら楽しいだろうと思ってのこと。自分はすっかり遊ぶ気満々、少し離れた空き缶入れのカゴを見遣れば飲み終えた缶を放り投げる。放物線を描いた空き缶はカゴにぽすっと収まり、拳を握ってガッツポーズ。「うっし一発クリア！ こりゃ今年の運勢大吉だな！」とご満悦…の後、こそっと相手に「あの、普段は面倒がらねえでちゃんとゴミ箱ン所まで歩いて捨ててるんで」と。行儀が悪いとは自覚しているようで言い訳をした）

2019/01/10...Thu // 17:32:45

モグラ叩き！ あれもイイっすよね、やってるとギャラリーとか協力相手とか集まって盛り上がりますもん。ダチん家でゲームも楽しいスけど、ゲーセンに誰かしらいてその場ですぐ対戦できるのもイイなって思うんス。爺さん連中も結構来てるし。
（この島のゲームセンターとは社交場めいた長閑さと健全さがあるように感じる。頻りに頷きつつ、年始の休み明けには絶対に行こうと決意を新たにする）
あー…正月だとみんなとりあえず飲みますよね、ご近所さんがおせち料理とか持ち寄って酒持ってきて宴会みてえな。シラフの人間が面倒見るのもしゃーないッスけど、酒盛り始まったら脱出したくなるの分かるなァ。そんじゃ新サンの愛車も正月休みッスね、骨休めって言うんかな…原付やチャリだとフレーム休め？
（「うわそれ聞いたらオレも飲みたくなったッス」おしるこは缶飲料の極北とまでは行かないが、普段は意識しないが無性に飲みたくなる瞬間がある…気がする）
や、オレ「大人はキノコ」っておぼえてたんスよ。そしたら違ぇよって言われて…オレもおかしいとは思ってたんスよ、なんでキノコ？って。オレすか？ 両方、ってのはナシですかね。家でマンガ読んでゲームすんのも好きだし、外で遊ぶのもボールあればドッジとかサッカーとかできるし。バドミントンとかも地味に好きなんスよね。
（何だかんだ言っても大抵は両方ではなかろうか、「新サンはどっちスか？ チャリとか風の子感すげえ強そうスけど」と尋ねてみる）
そらもうオレが羽子板を振れば百発百中で取れない羽根はないってなモンで……え、あいつら強いんスか、強いのか…。つうかガキの体力って謎いッスよね、ワーッて遊んだと思ったらいきなりエネルギー切れしてストーンて寝たり。スイッチがオンとオフしかないのかっつー。
（何しろ相手は動ける間は全力で動く子供。その上羽根突きも上手いとなると手強そうで己のビッグマウスを少し後悔しないでもないが、遊びへの情熱は未だ消えておらず「よっしゃ、オレも混ぜろー！」と意気揚々と向かっていく）
え、新サン休憩続行スか。そんじゃオレがいっちょ揉んでやるんで応援しててくださいねー！
（「えー新くんまだ休みー？」「春にーも遊ぼー！」と口々に言う子供から羽子板を受け取り「まあそう言うなよー、春にーちゃんはいつも仕事がんばってんだから充電しねーとなんだぜ。かわりにゆーと兄ちゃんが相手してやっから。オラかかって来いやー！」如何にも強いぞと言わんばかりに羽子板を構えるが羽根を突き合ううちに顔色が変わる）
新サーン！ ヘールプ！ ダブルス！ ダブルスでやりましょー！ こいつらマジ強え、羽根突きってこう羽根がポーンって上に行って落ちてくるんじゃねえのかよビュッて飛んできたぞビュッて！ 新サーン！
（うるさい子供が1人増えたような結果になった）

2019/01/16...Wed // 11:10:00

頭使って手ぇ動かしてってやったらボケてるヒマもねえっすもんね、ヒヒッ。運動が難しいってなっても軽く体動かせるタイプのあるし、爺さん連中も達者なモンすわ。いますよ、フツーに格ゲーとかガンシューやってる爺さん。
（ありゃあガチもガチ、オレも結構負けるッスもん。そう言いつつも楽しそうな様子は隠し切れない。「新サンもたまにはどうスか、まあやかましいスけど奥の方とかまったりやってる人らもいるし」と自分の愛する社交場に誘ってみる）
ウチは親父とふたりだしなーとか思ってたら近所のおっさんとか来ますもん。そんで「侑人も大きくなったなー、ちょっと前までこーんな小さくて、こーんな」「いやそこまで小さくねえよ一寸法師かよ」ってやりとり毎年ッスよ。酔っ払ってハイになる系のヒトが集まると圧とか熱とかパネェからツッコむだけ無駄なんスけどね…。あー、心配もあるッスね…そりゃ正月だし少しくらいはって思うけど血圧とか肝臓とか大丈夫かよって。…新サンほんとジョージ大事にしてるんスね、なんかイイなそういうの。
（愛車のお休み、なんだか心がほっこりするフレーズだ。「運び屋」の相棒に対する姿勢を垣間見て、何かしら将来の参考にしようと思って頷きながら相手の話を聞く）
誰に聞いたんだったかな、たぶんダチだと思うんスけど。妙にゴロがいいからそれでおぼえちゃって、そしたら違ってたっつー。あ、家ン中なら木の子かも！ それイイっすね！…うはは、新サンはやっぱ風の子っすか。仕事とは別腹でチャリ漕いでるのが好きみたいな？
（冬の空気の中自転車を漕ぐのは頬がピリピリ冷たいものの、自分の足で漕いで風を切るのが心地良いのは分かる気がする。「チャリってイイっすよね、どこ行くのも一緒って感じで」しきりに頷く）
センスっすか、ガキ流のメチャクチャ羽子板ぶん回すのとは一味違うってことか……え、あ、2対1？ うわマジだ。……そッスね、ガキどもが笑って泣いて遊び回ってるの、平和だなァってオレも思うッス。安心するし、明日は何して遊ぶんかなって…これ保護者目線ッスかね？
（いつの間にか子供たちを見る目の意味が変わってきたような気もするけれど、まだまだ自分は一緒に遊ぶ側だし、もしかしたらずっとそれは変わらないかも知れない。実際、お手並み拝見なんて応援されると張り切ってしまって「ほどほどに加減してギリギリの悔しさを味わわせてから負ける接待」など望むべくもない。双方全力である）
うおっ！…っと、あぶねえ！ つーか羽根突きもテニスとかバドみてえにライン引かねーとキリなくねえか！？……っしゃ返したぞ！…ルール特にないままやってんのおかしいよな冷静に考えたら！
（トリッキーとも無秩序とも言える子供たちのダブルスに振り回されつつ、打ち返しながら大声でツッコむ。足を使わされている上に喋りっぱなしでは疲れる一方だが、止められるほど冷静な性格ではない。そうして、救援を求めれば相手が応えて腕まくりしつつこちらへ向かってくれるので「神サマ仏サマ新サマ！」と一安心）
羽子板すげえ用意してんのなお前ら…これ輪になってラリーとかも面白そうだな。打つときに名前呼んで、呼ばれたヤツが返さねーとダメとか。まーとりあえずダブルスだな！
（2人になったことで純粋にカバー範囲が半分になったのもあるが、精神的な面での頼もしさが大きい。大人と半分くらい大人のダブルスが貫禄を見せつけてお開き……と思ったら、不穏な言葉が相手から発せられたので思わずそちらを見て）
…げっ。増援とかマジかよお前ら…いや友情はイイけどさ、マジかよ。
（加勢だ助太刀だときゃいきゃい騒ぎながら駆け込んでくる子供たちに口をへの字に歪める。少し休みたいと思っていたのに。まあ楽しそうなのは何よりだ、と相手に向かって頷き「しゃーない、大人の強さ見せてやりましょーよ、そんでやっぱ大人ってスゲーって尊敬の目で見てもらいましょうや」半分自棄になって笑った。4対2の数の有利を覆して勝ったらそれこそ格好良いのだが、やはり4人が好きに動きつつも意外にフォローしあう範囲の広さは手強い、何よりラインも何もないので際限がない。しばらくは羽子板が羽根を突く快音と歓声が公園に響くことだろう。ゲームセンターに行くはずがハードな初遊びになり、明日もう一度神社に行って健康祈願して来ようか…とこっそり思うのだった）

《レス終了》

2019/01/20...Sun // 17:34:15