新くん102. 都築あおい | |
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(よく考えるよりも先に体が動いた。暗室の隅に重なっていた小さなダンボールを一つ抱え大急ぎで部屋に戻ると、そこに兎に角詰めていく。塩キャラメル、塩キャラメルチョコ、塩キャラメルチップス、そしてやっぱり塩キャラメル。小さなダンボールはすぐに埋まってしまった。ええとそれから、心なしか焦ったようにも見える表情で部屋の中を見渡して「ああそうだ」自然と声が出た。次に会えそうな時に渡そうと思っていたものがあったんだった。) 新くん 少しでも、きみが元気になれますように 都築 (走り書きした手紙に同封したのは、随分前に彼を写したもの。彼と、それから彼の大切な友達とを写したもの。自己満足でしかないけれど、大切なお友達である彼になにか、したかった。会う度に彼からもらう元気を自分はこんな形でしか返せないことに不甲斐無さを感じないでもないけれど――それらを詰めた小包に封をする頃にはきっと自分の表情も幾分か和らいでいて。) | |
都築さんへ109. 新春近 | |
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(荷物を運ぶことは数あれど、自分に届く荷物は数少ない。珍しく郵便ですなんて聞いて驚き混じりに扉を開ければ届いていたのは小さな段ボール。差出人の名前を見て急いで部屋の中へと戻り、段ボールを丁寧に開けば中から出てきたのは以前聞いた彼の好物たち、たしか独り占めしてみたいもの。それがたくさん詰まった中にはいつかの写真もあって思わず温かさと懐かしさに目を細めた。塩キャラメルを一粒口に放り込み、写真と入っていた手紙をもって机へと向かった) 都築さんへ。 素敵な贈り物をありがとうございます。 元気100倍です! 新春近 (文章を考えていると長くなってしまう。書いては丸めて、書いては丸めて、して結局書いたのはその一文。伝えたいことは端的な方がいいはずだ。写真は写真立てに入れると机の上に飾って急いでポストへと向かった。投函して帰る頃、きっとその顔はもう沈んでなんかいないだろう) | |