探偵殿185. 赤羽湊斗 | |
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(らしからぬ物を片腕に抱いて歩くその姿は気分の上がりようを窺わせる。ポストに入らないブツを持って、いつかは出くわすだろうと鼻歌交じりに歩く。暫く歩いて目当ての人物を見つけて声をかければ、瞬時に用件を察したらしいその人物に「げ」なんて声を漏らされ、笑う。「察し良いじゃん、これお願いね」――きっともう仕事の終わる頃だったろう彼の腕に半ば無理やり引き渡したのはクリーム色のリボンを巻いた真っ白なテディベア。) HappyBirthday!myfriend. p.s.ご飯楽しみにしてる。茶色いの食べたい。 (それだけ書かれたメッセージカードを抱いたテディベア。ちらりとカードを覗いた彼には勿論「赤羽さんが作ってもらう側なの?祝う気ある?」なんて言われたもんだから問答無用でデコピンをお見舞いしておくことにする。dearmyfriend.なんて記されたベアの右足は特別な一品。それを一度指先で撫でてから悪戯な笑顔を浮かべて「良いからさっさと運んでこい」最早馴染みとなった配達員を軽く小突いて送り出した。) | |
湊斗さんへ186. 花野紅 | |
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(顔馴染みの配達員さんが本日最後の配達だと言って届けてくれたテディベアにぎゅむっと抱き付き、ぎゅむぎゅむすりすり。満足するまで頬ずりまでした探偵は、彼がカードを抱いていることに気が付いて大慌て。幸いにも探偵の締め付け攻撃にも負けずカードは折れ曲がったりしていなかった。ほっと息を零し、微笑ましそうな視線を向けている配達員さんをお茶に誘う。お仕事お疲れさまとありがとう。そんな風に労わりながら、早速お礼のお手紙をしたためようとペンを握った。) とってもありがとう…! ぼくね、このテディくんといっぱい仲良しするよ。 茶色くて美味しい物が作れるように練習しておくねぇ。楽しみだ! (ぷっくりほっぺのリスが描かれたポストカードは優しい配達員さんが帰るついでに薬剤師さんの家のポストに入れてくれるそうだ。ありがとうとお礼を言って、帰って行く彼にテディベアと一緒に手をふりふり。――愛らしいテディベアの頭に、藍色のフェルトで作った帽子が被せられるのはもう少し先のお話。) | |