小沢深紅センパイへ191. 向坂侑人 | |
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(森を通る風も柔らかくなってきた3月、卒業シーズンの空気は暖かく少し寂しい匂いがする。ポストに届けられたのは、鮮やかな紅の紙袋に萌黄色の紐が3本使いで掛けられた小包。包装を解くと、個包装された贈り物が2つ。ひとつは木のボディのヘアブラシ。ひとつは折り畳み式エチケットブラシ) 卒業おめでとうございます いつも明るくって楽しい深紅センパイに、オレ基準でイケメンセットを選びました 明るくいるのってパワー使いますけど、エネルギー欲しくなったら後輩をパシってください アホなことして遊びましょー (メッセージカードに言葉を書く手は、つい余計なことを連ねそうになっては止まった。新月の夜1人で耐える姿を思い起こすと、何かできることはないかと考えるけれど。あくまで先輩と後輩、「しんどい思いをしたら一緒にパーッと発散しましょ」と誘うにとどめるのは自分も成長した証拠だろうか) | |
侑人へ!195. 小沢深紅 | |
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(学院から旅立った矢先の事。深紅の元には確かにそれらは送られていた。その紙袋の宛先人は大事な後輩であり、井戸端でも会っている人物。メッセージカードの内容を見て顔は綻びいつもの笑顔よりなんだか嬉しそうだ。こうしちゃいられないと自室へ向かい可愛いからと買ったまま使わずにとっておいたウサギの絵が描かれた便箋を引き出す。ピンク色をしたペンで少し大きく文字を紡ぎ) お手紙とプレゼント、あと祝いの言葉ありがとう!めっちゃ嬉しい!! これで俺のイケメン度もさらに上がっちゃうな〜なんて。大切に使わせてもらうね。 侑人は優しいなぁ、じゃあ今度一緒にゲーセン行ってもらおうかな?格ゲーやる?UFOキャッチャーやる?あ、リズムゲームもいいね!どれも負けないぞー!! 最後に。 侑人の優しさにはいつも俺、励まされてたよ。侑人は俺の自慢の後輩だからな、これから先、困った事あったら俺になんでも言ってな?これからも井戸端でよろしく! (そう書かれた手紙を大事に大事にしながらポストに入れてひとまず満足顔。帰路に帰る深紅は楽しそうに、いつか来るかもしれない彼と出来る楽しい思い出を作る時に思いを馳せて、そして胸を弾ませるのだ。) | |