a 小沢深夜センパイへ

192. 向坂侑人
... 2017/03/18...Sat // 02:16:17

(学生寮はいつもと違う、何かが始まるような浮ついた空気と何かを惜しむ甘酸っぱい気配がある。部屋の主が戻ってくるまでの間に直接届けられた小包は、深いブルーの包装紙にシャンパンゴールドのリボンが掛けられている。中には、両手の掌を並べた上に乗るくらいのサイズの白い器。陶製のそれは円筒形で、中心から放射状の仕切りが三方向に。角の丸いフォルムの縁に白い小鳥が乗っている。絵具を使う際の水入れ、あるいはペン立てになるだろうか。そして、添えられたメッセージカードはシンプルなアイボリーホワイトにワイン色のインク)

卒業おめでとうございます
「自分の唯一」が見つかるようにオレもがんばります
深夜センパイが自由にめいっぱい絵を描けるよう応援してます
卒業しても遊びましょーね

(本当は気の利いた言葉やお祝いの気持ちをしたためたかったのだが、どうにも手紙に書くとなるとうまくできずに。結局シンプルな定型句に簡単な言葉を添えて、なるべく丁寧に書いた。ぎこちない文章は不慣れゆえ、ご愛敬──)

h 向坂へ

196. 小沢深夜
... 2017/03/20...Mon // 14:08:47

(いつもより少しだけ騒がしい寮に戻って来ると、やはり自分はもう学生という訳ではないのだと実感させられる。四月から始まる新生活に不安と期待を寄せて、自宅にに戻って来ると目に付いたのは見慣れない小包。それを手に持ち宛先を見たなら少し目を見開く。段々と嬉しさがこころを満たしていき、深夜の瞳は優しい眼差しで、後輩からの贈り物を見つめていた。)

いろいろとありがとう。
おまけに贈り物まで、贈ってもらっちゃって。だけど嬉しい。絵描くとき愛用させて貰うね。

俺は、唯一を見つけられた気がする。
だから今度は、向坂の番。
見つかるよ、きっと。その時は俺にも教えてね、向坂の唯一を。

これからもよろしくね、遊ぶの楽しみにしてる。

(模様もない質素な便箋に小さく繊細な文字を走らせて、最後の方には可愛い後輩の顔をデフォルトしたイラストをトッピング。あとはポストに入れるだけだと、すぐに玄関で靴を履きポストへの道のりを歩き出そうーー。)


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