星野明夜211. --- | |
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(―或る春の日。役場付近の森に建つ一軒家の戸に、白い紙袋が引っ掛けられる。中には同じく白い小箱。それ以外はメモ書き一つ見当たらない。) (箱の中には虹色の桜の花弁がふわりと詰まっている。加工の一つも施されていない花弁は何れ色褪せるだろうが、今はまだ鮮やかに箱の中に収まっていた。) | |
---227. 星野明夜 | |
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(外から帰り、扉を開けようと鍵を取り出そうとして、扉に掛けられている紙袋に気付く。袋を手に取り、中身を確認したのならば、白い小さな小箱。警戒心もなく、興味本位で蓋を開けてみれば、中には虹色の桜の花弁。そんな春らしいプレゼントに驚きながらも、ありがたく受け取るのだろう。誰から、なんて分からなくても、プレゼントされたという出来事が嬉しいのだ。) (数日して、家の中にはものが一つ増えた。虹色の桜野花弁で作られたしおりは、大切に机の引き出しの中へと仕舞われていた――) | |