山吹ヒナ様23. 都築あおい | |
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(口をぴったりと糊でとめた真っ青な封筒がぽっこりと膨らんでいる。届け先を口にすれば、配達人が「誕生日ですもんね」と笑う。それに「はい、誕生日ですから」と言葉を返し、笑った――) 山吹くん 8日はキミの誕生日だと風の噂で聞きました。 カギ、もうなくしてしまわないように なくしても、キミの物だと分かるといいな、って思います。 都築 (ブルーの透明石。4mmサイズのそれが円を描いている。彼に似合う色をと思って選んだアクアマリン。本土から取り寄せたそのストラップのせいで膨らんでいる封筒を閉じてから、祝いの言葉を書いていない事を思い出す。けれど綺麗に閉じたばかりのそれを開けるのは何だか憚られて「きっと伝わるだろう」なんて非常に曖昧なまま、配達を頼む事となった。どうか、これからまた一年彼の人生が笑顔で溢れますように。そして彼の幸せを願う奴が此処に居る事が、どうか届きますように。) | |
都筑あおい様25. 山吹ヒナ | |
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(誕生祝いに貰った涼やかな海の絵ハガキにペンを走らす。傍らに置いてあるのはアクアマリンのストラップ。何に付けるかはまだ悩み中だ。ストラップは窓から差し込む夏の日差しが反射し、キラキラと輝いている。まるで美しい海だと、機嫌が良い猫のように目を細めた。) 都筑さん、ストラップありがとうございます! とても綺麗で、一目で気に入りました。 大事にします。 カギのことですけど、一度あることは二度あるなんてことにならないように気をつけます。 都筑さんがまた拾ってくれるとは限りませんからね。 (絵ハガキには丸っこい文字が並んでいる。ペンが乾くのを待って、近場のポストへ投函。感謝の気持ちが彼に届きますように。) | |