小沢弟へ232. アンバー | |
|
(7月も後半。ひどく暑い日が続いている。蝉の鳴き声が兎角煩くて、額に滲む汗をぬぐい無意識に溜息が零れた。夏は何方かと言えば好ましい方であるが、これはあまりにも、あまりにもである。)…スーパー猛暑、だったか。(ふと思い出した単語をぼやき、ポストへ向かう途中、丁度甘味屋の旗がひらりとはためくを見て、その足は一度止まる。帰りは此処へ寄ろうと決めた。) 井戸端で話していた釣りの話を詰めたい。 俺のポケベルだ。また連絡をくれ。 (簡単な用件と己の連絡先を記した葉書をポストに投函する。 葉書の表面には奇しくも、先程見た甘味屋の旗に記された文字と同じ、優しげなタッチの、赤いシロップが涼を運ぶかき氷の絵がひかえめに描かれていた。) | |