ぽちくんへ236. いちじょう | |
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(ここ最近は、自室にてとある作業に集中して過ごす事が多かった。其れも無事、納得出来る形に落ち着いたのは前日の事。――自分の誕生日に、彼がくれた”世界”がひどく美しかったから。同じくらいのものを、という事は流石に出来ないだろうけれど、それでも少しでも彼が喜んでくれるものを、渡す事が出来ればと。同じように用意したのは小さな瓶に、水晶や銀粉を散らしたもの。レジンで固め、グラデーションになるようにと暗すぎない紺で染め上げた其れは、ところどころに星が散っているように見受けられるだろうか。瓶を覗き込んだ中に、彼が生まれた日の、夏の空を閉じ込める事が出来ていれば良いのだけれど。) たんじょうび おめでとう! おれは うみを もらったので おれからは ほしぞらを ぷれぜんと! よければ もらってね いちじょう (去年と同じ、白いグリーディングカードに文字を並べれば、小瓶を入れた包みへと添えて。包みはシンプルに黒に纏めて、星の形をしたシールをワンポイントに。例年通りに配達人へと預けたならば、あとは彼が無事に届けてくれる事だろう。見送りながら手を振る様は、安心に満ちたものだ。) | |
×××237. ××× | |
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(今日も今日とて天気も良く、蝉がじわじわと鳴いている。もう見慣れたこの夏の景色が好きだ。今日はどう過ごそうか。海で泳ぐのもいい。涼しい図書館で好きな図鑑を読むのも悪くない。そういえば、世話になっている老人がそろそろ掃除をしたいと言っていた、今日はそれに付き合おうか。なんて考えながら歩いていると偶然出会った配達人におめでとうの一言と、黒い包みを渡された。すっかり忘れていたがそういえばそうだったとお礼を言いつつ、それを受け取った) …おぉー!きれー! (それはまさしく夏の夜空。キラキラしていて、ぴかぴかしている!この島の星空もそれは美しいものだけど、それをぎゅっと小さくしたみたいな宝物。嬉しくって思わず笑顔が零れる。カードに書かれているのは、いつも丁寧で読みやすくて、優しくて、温かい大好きな文字。―さて、今日の予定はどうしようか。海で過ごそうか、図書館へ行こうか、掃除は出来ないな。何故なら放課後には行かなければいけない場所がある。会いに行きたい人がいる。たくさん言いたいことがある。待ち遠しくってたまらない。自分がどれだけ嬉しかったか、早く、伝えに行きたい) | |