福永の坊246. 狐 | |
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(――その文からは爽やかな甘さが仄かに香る。) 季節は移ろい夏から秋、冬へ向かおうとしておるが、元気にしとるかのぅ…? 文を認めるのが遅ぅなってしもうたが、その節は世話を掛けてすまなんだ。 顔を合わせたのは夏であったが、春の木漏れ日のようなおぬしの優しさが今も胸に沁み入っておる。 …詫びとも礼とも云えぬが、馴染みの甘味処にて先日"団子無料券"なるものを得た故、足を運ばせてすまぬが是非一度、父君や友と語らいながら舌を喜ばせてくれれば幸いじゃ。 爺は中でもみたらしを一等好いておるぞ。 ―時に、数日の後には坊が一つ歳を重ねると耳にした故、気が早ぅてすまんがわしからも言祝ぎを。 染まり行く葉のように深みのある日々を過ごす事を願っておる。 無料券と共に同封した文香は学び舎の供に、と。 (香りを纏う和紙は三日月型に抜かれた藍色の栞。) | |
狐さん263. 福永正愛 | |
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(文を開いた途端、ふっと匂い立つ香りにすうっと大きく息を吸い込んで、自然と微笑みを浮かべてから、開いた文面を何度も見ながら返事を認めよう。) お返事が遅くなってしまって、本当にすみませんでした…。 おかげさまで、僕はしばらく風邪も引かず、元気に過ごせています。 こちらのお返事もとても遅くなってしまいましたし…そういう、大変な時が人生にはいくつも出てくるものじゃないかなって思うので…あの時の事は気にしないでくださいね。 それより、狐さんが落ち着いて穏やかな毎日を送れていますように…! 春の木漏れ日だなんて、本物の春の木漏れ日に恐れ多いです…。 お団子の無料券、わざわざくださって、ありがとうございます。書かれていたように、父を誘って休日に甘味処で頂いてきました。みたらし団子とごま団子を食べましたが、父とゆっくり話しながら食べられて、とても美味しかったです。 僕はみたらしもごまもきなこも、どれも好きで選べないですね…。きなこも父に分けてもらって食べました。 それから、誕生日のお祝いまで頂いてしまって…本当に、どうお礼をしていいものか…。これからも深みのある毎日を大事に過ごして、そして深みのある人間になれるように精進していきたいと思っています…! 栞、授業で使う本だとか、色んな本を読む時に大活躍です。ありがとうございます。 | |