新247. --- | |
| (肌を指す寒さに眉間に深い皺を刻んだ黒尽くめの悪人面が花都通りに近い一軒家に足を運ぶのは二度目となる。とあるクソ暑い日に巻き込まれたクソ面倒な出来事は結果的に男が運び屋の荷物となって予定より早く幕が下りた。突然の体調不良でその後も数日熱に浮かされた為あの日の記憶は曖昧だが、爽やかな青年に似合いの青い相棒で運んでもらった事は朧げに憶えており、その後詫びの一つも入れていない事を何だかんだ気にしていた、――かは定かでないが、兎に角男は此処に来た。ガチャガチャ音を立てるレジ袋には栄養ドリンクに喉飴にスポーツドリンク、更には使い捨ての温熱アイマスクも入っているのは、季節の変わり目が云々と言っていたのを小耳に挟んだからかは以下略。男はそれをドアノブに引っ掛けると、寒さ故か足早にその場を去った。) | |
新248. --- | |
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(―――レジ袋の中に紛れ込んでいる黒いパッケージの板チョコには、伝える気があるのかないのか黒いペンでたった一言) 悪かった | |
サチさん253. 新春近 | |
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(いつも通りの朝、郵便受けを確認しに外へ出た時にドアノブに掛かっている袋に気が付いた。此処に掛かっているという事は家に来たということなのに――声を掛けられなかったのは自分が不在中の出来事かと思いながら家に袋を持ち込んで中を確認した。そこには体調を気にしてくれているであろうグッズが入っており、一つ一つを目の前に掲げて見る。誰だろうと思いながら首を傾げ、最後に取り出したチョコレートと、そして黒いペンで書かれた謝罪の一言にピンときて、ふふと笑顔が漏れた) 体調はよくなった…? 栄養ドリンクとか、ありがとう!元気が出たよ。 (きっとこれはサチさんだ。と思いながら小さなメッセージカードとお返しのミルクチョコレートを包めば赤いポストに投函した。ここに届けに来られたということは回復もしたのだろうと思いながら家に帰れば、のど飴を口に放り込んだ) | |