ポチくん27. いちじょう | |
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おたんじょうび おめでとう! 21さいの ポチくんと おさけのめるの たのしみにしてるね 陽 (一昨年は銀色。去年は色とりどりの星。――今年は一体如何しようかと、毎年頭を悩ませる時間は何とも楽しいものであって。彼が成人してから今日に至るまで、酒を酌み交わす機会は残念ながらなかったのだけれど。いつかそんな日が訪れれば良いと、以前交わした約束を思い出したから――昨年同様、配達人へと託す形にて預けたのは小さな包み。開けば中より顔を出す透明なガラスで出来たロックグラスは、同一のものが一条の部屋にも鎮座しているのだと伝える日が来るとすれば、約束が果たされる其の日か――。) | |
いちじょうさん28. ぽち | |
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ありがとう! おれは あまいさけが すきです うまいさきいかが あるので いっしょにたべよう ね ぽち (最近覚えたオセロで、今日も老人と対戦中。風鈴がりんと鳴ったかと思うと、訪れたのは配達人で。お礼にアイスと麦茶をご馳走しながら包みを受け取って、早速それを開いてみると、出てきたのは太陽の光を反射させてキラキラと光るロックグラス。つい見惚れてしまう程のそれは油断すれば落として壊してしまいそうで、少し怖かった。だから両手でうんと大事に抱え込めば、そのまま静かに包みの中へ戻して。彼と約束を果たすその時に初めて使いたい、だから今は大切に大切にしまっておくことにした。青空みたいな水色の折り紙に太陽みたいな赤い色鉛筆で返事を書いた後、最近覚えたのかそれを飛行機の形に折り曲げて、配達人に手渡した。そのまま配達人と老人が世間話を始めた後ろで、もう一度包みごとぎゅっと抱きしめたのは、誰にも秘密) | |