サチ45. ハンサム | |
| (ぷちぷちの梱包材に包まれた正方形の炬燵が、寮のとある一室の前に届けられた。丁度その部屋の住人は不在だったのか。居留守なのか。炬燵は扉の前で通せんぼをするように置いてあって。丁度炬燵のテーブル面の上、炬燵をぐるぐる巻にして守っている重なりあった梱包材に挟まった、子供用のヒーローのイラストがプリントされたポチ袋。宛名は「配線がどうのこうのなってるらしい」とちらっと聞いた故障箇所。送り主の欄には「蜜柑希望」と夢を書いた。ポチ袋の中には本日発売最終日の宝くじが一枚。) | |
ハンサム(仮)48. サチ | |
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(ドアが開かない。部屋の前を塞ぐ存在に気付いたとある冬の日、男は一度舌を打って力任せにドアを開け放った。盛大に顰められた顔は犯人を探すように当たりを見回し、ドアによって押しやられていたそれに気付くと一も二もなく梱包を解いた。どうやら心当たりがあったらしい。梱包材とともに投げ捨てそうになったポチ袋に書かれた文字を見れば目を細め、一先ず部屋に入れようと炬燵を抱えて部屋の中に消えて行った。ーー再びドアが開いた時、男の手には蜜柑が一つ。外に出て適当に配達員らしき人物を捕まえれば、一言二言言付けて、足早に自室へと戻って行く。早く炬燵に入って温まりたいのだ。) 直った (マジックで一言だけ書かれた蜜柑が炬燵の送り主に届く時「宝くじの当選発表がいつなのか聞いとけって言われたんですけど…」と、困った顔をした配達員から伝言も届けられる筈。) | |
サチ(イケメン)49. ハンサム(真性) | |
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(町を歩いていると配達員に呼び止められ、用件を聞いたところ先日運んだ炬燵にまつわるものだと分かった瞬間、クックッと笑顔を見せて配達員を困惑させること数十秒。「分かった。分かった。」と配達員の方を叩き、蜜柑を受け取って。近くのコンビニに入って年賀状を買ったのは、年の瀬。あれから数日、ポストに投函するのを忘れていた年賀状を見つけ、頭を掻いて逡巡。結局重い腰を上げて、大遅刻の年賀状をポストに入れて―――) あけましておめでとう。 ↑ 年末だった。 今度新聞持って遊びに行くから当選確認しようぜ。 億万長者になったらすき焼き奢って。 またみかんちょうだい。こたつのたのしみだ。 (送った年賀状の下には、年賀状のお年玉企画のナンバーが並んでる。) | |
ハンサム(疑惑)50. サチ | |
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(一月も終わる頃、寒さに負けず走り回るヤンチャな子供達はとある人物を見つけると元気よく名前を呼んで、「いっくよー!」野球帽を被った少年が空に向かって伸ばした右手をぶんぶん振ってアピール。振り被って投げたストレートを相手が受け止めても失敗しても、「ハズレだったってー!」「年賀状のは!」一緒に居た別の少年達が声だけを投げて、きゃらきゃらと笑いながら走り去って行った。) 食い物も持って来い (野球少年の手から放たれた蜜柑には、周りをぐるりと回るようにマジックでそれだけが書かれている。) | |