ライくんへ62. 花野紅より | |
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(透明ボックスに桜の絞り出しクッキーを丁寧に詰める。可愛らしいピンク色はイチゴのフリーズドライパウダーを使って、花の中央には数粒のアラザンをのせた。短いメッセージと小鳥のイラストが描かれたカードは上部に穴を開け紅白の紐を通し、そのままボックスにきゅっとリボン結び。「それじゃあ後はお願いね?」お茶を飲んで一休みしていた郵便屋さんに託したホワイトデーの贈り物は、本日中に大事な大事な友人の手元にきっと届くだろう――。) ぼくは雪も氷も好きだけれど、春のぽかぽか陽気や桜も好きだよ。 | |
紅くん63. ライアー | |
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(すごいプレゼントが届いた。眠い目こすって郵便屋さんと顔を合わせれば、すごいプレゼントが届いたのだ。小屋の真ん中でそれを広げて、三角座りに膝を抱えたライアーはじぃっと、一時間でも二時間でもそれを眺めたことだろう。BGMには波の音を聞いて、ほんの少しの春の香りを感じながら。ホットミルクことこと。鈍い舌でもさくさく音が楽しくて、一個だけ食べればあとは勿体なくて、暫くはこうして眺めているはず。貰ったカードも一緒にじぃっと眺めて。) ぼく、ひなたぼっこ がすき。 さくさくも すきです。 (桜さくさく。そんなでたらめな歌を歌って、ポストの前まで散歩して。ポストの隣でしゃがんだならば、郵便屋さんが来るのはまだかなぁとずーっと待った。それから郵便屋さんがやってきたのを見つければ、お手紙と一緒に、道中見つけた四葉のクローバーを手渡そう。「ありがとうと、伝えてください」。そういうのを手紙に書くんだよと、困った風に笑う郵便屋さんが教えてくれたけれど、ライアーはこてりと首を傾げただけだった。) | |
ライくんへ64. 花野紅より | |
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ぼくもよく、猫くんや犬くんと一緒にひなたぼっこするよ。 今度ライくんも一緒にどうだい? さくさくって気持ちいもんねぇ? くしゃくしゃ、とか、ぷちぷち、も好きだなあ。 今ね、もらったクローバーでしおりを作る準備をしてるの。 きれいにできたらきみにも見せに行くねぇ。幸せをありがとう。 (金色の四葉のクローバーが刻印された便箋を若草色の封筒に入れて切手をぺたり。ポストにことんと落とし入れたなら赤くて丸っこい頭をぽんぽんと撫でて、鼻歌交じりに歩いて行った。) | |