ポチくんへ68. 亘秋久 | |
|
(この時期に見られる桃色の桜飾りの便箋。風情のあるその手紙にはあまり釣り合わない癖のある文字がつづられている。) ポチくんへ こんにちは! この前お手伝いのこと話してくれていたのは有効かな? 祝い酒だー、お花見だーってお店が忙しくて、ポチくんがいいなら暇な時にお手伝いに来てくれると嬉しいです。お給料も出るし、店長もサービスしていいよって! ポチくんが来れる時に来てくれて大丈夫なので、もしよかったらお店に来てね。 あ、勿論お客さんとしても大歓迎! 熊五郎商店店員 亘より | |
わたりさん69. ぽち | |
|
(今にも桜の香りがしてきそうな可愛らしい便箋を笑顔で受け取れば、早速書かれている文字を目で追っていく。けれどどうしても漢字が難しいものだから、結局いつものように老人に読んでもらえば、すぐに折り紙と桃色の色鉛筆を取り出してきて) わたりさん こんにちは! ぽちです てつだい いきます いつでも OK さくら きれいだね ぽち (自分の名前の横に桜の花びらを描いて、満足気ににっこり。そのまま折り紙を紙飛行機にして、配達員へ手渡しすると、「あ、エプロンいるか書くの忘れちゃったから、聞いといてくれないかな?」と伝言も一緒に託して) | |
ぽちくんへ72. わたりあきひさ | |
|
こんにちは。 てつだいありがとう!いつでもひまな時にきてねー。 さくらがちるまえに、おてつだいのおれいもかねておはなみとかするのもありかも。 じゃあいつでもおまちしてまーす。 エプロンはうちのをかすからだいじょうぶだよ! わたり (前回とは打って変わって平仮名が目立つのは、配達のお兄さんから字の勉強中だと教えてもらったからである。折り紙で返ってきた紙飛行機のお手紙を開けばかわいい桜の絵が視界に入りほっこりとした気分で返事を書いた。何かないかと悩んだ結果、月並みであるが綺麗な桜の花びらを便箋の間に挟む。お兄さんから聞いた伝言の返事もしっかりと書いて、あとはこの前と同じ通り。前払いの一つとして桜饅頭なるものを渡してもらうように配達のお兄さんに頼んだものは、喜んでくれるだろうか。) | |
わたりさんへ74. ぽち | |
|
(桜がひらひらと舞い落ちる中で、その視界に配達員が映る。ぱっと笑顔を浮かべれば待ちきれないのか自ら走って行き、自分宛ての便箋を開けば花びらがひらりと逃げる。咄嗟に掴んだ右手に、小さな春があった) こんにちは! おれは いつでも ひまだから てつだう時 いってください おはなみ たのしみ! ぽち (唯一書かれていた漢字の読み方を聞いて、そのままそっくり書き写してみたが、どうもバランスが難しい。まあいいかと紙を四つ折りにしていれば、トントンと肩を叩かれ差し出されたのは饅頭。嬉しそうにそれを受け取ったかと思えば、しまった筈のペンをもう一度取り出して、「ありがとう!」と付け足した。彼から届いた花びらは、写真に残すことにしたらしい) | |