レアン37. *** | ||
(23日。何時しか寮の扉脇に置かれていたのは一つの段ボール。蓋を開けば、編み籠に入った桃と紙片が一枚見えるだろう。その下には例の木箱の姿もあった。) 誕生日おめでとう。 (紙片には、一言と右下の方に12と数字だけが記されていた。去年と同様、箱はからくり箱仕様となっている。ただし、難易度は少々上がり、今回は12回仕掛けを移動させる必要があるという事らしい。箱の中身は、チェロを弾く猫の置物と写真が何枚か入ったアルバム。ポラロイド写真の被写体は鈴蘭。毎日――は面倒臭がりには無理だったので何日か置きに撮ったものらしく、写真の裏に書かれた日付は飛び飛びだ。差出人の名前はやっぱり記載無し。そそっかしいというよりも、横着した結果である。)
|
宛名の無い手紙43. ライアー | ||
(それはガラスの小瓶に詰められて、海に浮かべられた。) こんにちは。ぼくはライアーです。 きょうはどんな一日でしたか? たくさん、わらえているといいのですが。 ぼくは、きょううれしいことがありました。 だからこうして、手紙をかきます。 わすれてしまっても、こうしていればだいじょうぶです。 ぼくのかわりにあなたが、おぼえていてください。 きょうはとても、いいおてんきです。 (流暢とは言えない字面は、さらにでこぼこの面で書いたのかガタガタしている。それを海へと流した後、膝を抱えてライアーライアーと適当な鼻歌口ずさむ姿が夕陽を見届けて)
|
イツキ41. 銀寿 | ||
(一抱えもあるブルースターの花束を抱えた配達人が、えっちらおっちらと貴方の元へ現れるだろう。淡く輝く青い花達の合間にはシンプルなメッセージカードが忍んでいる。) イツキへ 誕生日おめでとう。 今日という日を祝うことができて俺は本当に嬉しい。 同じ時間を生きるってことは、こういうことだろ? これからもよろしくな、俺の王子サマ。 銀寿
|
青い花のニーチャン40. コスモロッカー | ||
(小包は何の飾りっけも無い、古い西洋の映画でパンを包んでいるようなもの。パンにしては小さなソレの中身は、古めかしい一本の鍵。伝言レベルの手紙は、包んだ紙の裏側に) お前の人生の鍵。 って言ったら信じる? (記名は無い。誕生日を祝う言葉も、無い。唯一の手掛かりを持つのは郵便配達員、若しくは――微かに香る、煙草の香りだろうか)
|
寒椿の君36. 日曜日 | ||
(今後ろを振り返ったら、きっと本の雪崩が自分を襲ってくるに違いない。自分が現在置かれている状況をそう表現したくなるくらいには、オーバーワークだ。自宅と仕事場を行ったり来たりする時間さえ惜しくて、数日はこの仕事場―つまり元自宅にひきこもっているわけである。それもこれも、少しでも時間を切り詰めてさっさと彼のいる日常に戻るため。ああ、とても大事な一日に顔を合わせることができないなんて!悲壮感と締切だけが背後に待ち構えていても、それらを無視して会いに行くことはできやしない。―きっとそんな自分を、彼は待ってはいないだろう。少しだけ早い日に郵便屋を呼びつけて小包は託してある。中身は一通の手紙と、異国の写真が印刷されたポストカードの束。思いの欠片をそれに預けて、少し待ってくれよと傍に居ない恋人に詫びた) ---------- 九十九君へ これからも君と同じ物を見て過ごす毎日でありたい。 生まれてきてくれて、ありがとう。 私を、見つけてくれてありがとう。
|
島民さんへ(御手紙の説明)1. 哉 | ||
▼御手紙(葉書・封書),小包(お荷物の配達),チラシ(投函,貼り付け)など、文字を介した交流にお使い下さい。お世話になっているあの人に御手紙を書いたり、お店の広告を出したり、とか! イッツフリーダム! ▼宛先に制限はありません。会話したことがない人にもお手紙を送ることができます。また宛名や送り主の名前は必ずしも、正式なお名前を書く必要はありません。不特定多数に送る場合はこの記事のように『島民さんへ』としても良いですし、『学生のみんなへ』や、『誰かへ』などなど、ご自由に指定して下さい。送り主の記載についても任意ですので、匿名もOKです。ただし送り主欄を空白での投稿は出来ませんので、何かしら偽名でもキーワードでも何でも良いのでご記入下さいませ。 ▼ロールの使用も出来ます。前後両方または前後どちらかに、手紙についての描写を記載しても良いですし、ロールなどは全く書かず、御手紙の文面のみの投函も可能です。こちらについてもご自由にお使い下さい。 ▼文字色や切手アイコンはお好きなものをお選び下さい。タグの利用もできますので、装飾などもご自由に。 ▼レスは必ず行わなければいけないものではありません。お手紙のお返事も、必ずしなければいけないものではありません。レスも受け取った方のご自由に行って下さいませ。 ▼文面でのやりとりです。対面しての会話でのやりとりではありませんので、描写にはお気をつけ下さい。(会う約束を交わすのはOKです) ▼基本フリーダムな場所ですので、お好きな様にご利用下さいませ!もし利用に関して質問などありましたら、メールフォームまたは拍手コメントよりご質問下さいませ。 ▼ヾ(◎´д`)ノ[Thank You!!]クリックでレス画面が表示されます。 ▼ [ いままでの御手紙頁はこちらです。 ]
|
シーナ29. サチ | ||
(そういえば長身の彼も寮住まいだと思い出したのは、工具箱片手に自室に向かう真夜中。彼の部屋の前で足を止めれば、徐に腹巻きに手を突っ込んで未開封の板チョコを工具箱から取り出したテープで扉にぺたりと貼り付けると、一つ欠伸を零して。相変わらず気だるげな様子で今度こそ自室の方へ消えて行った。――因みにこの男がストックしている板チョコはビター味のみである。)
|
幸ちゃん30. 十知利 | ||
なんか今月誕生日だったらしいじゃん 俺その日葬儀フィーバーしてて何もしてやれなくてスンマセン。 歳とるって幸ちゃん位の年齢になると悲しいものよねー 腰とか腰とか腰とか気を付けてくださいっスよ? …後、この前色々とスンマセンでした。楽しい鍋会だったのに。 あの時は恥ずかしくってあんま話せなかったけど、 でももうアンタに隠すの面倒だし、今度暇な時にでも話すよ。 ま、とりあえず誕生日おめでとうっスー。 プレゼントは、オ・レ☆ (郵便屋さんに、白い便せんと、小さなダンボールを差し出す。ダンボールの中には、「蛍寺見学ツアー券(プレミアム)」と墨で書かれた和紙素材の紙と、猫用の高級キャットフードの小さな袋が入っているのだろう。)
|
ポチくん27. いちじょう | ||
おたんじょうび おめでとう! 21さいの ポチくんと おさけのめるの たのしみにしてるね 陽 (一昨年は銀色。去年は色とりどりの星。――今年は一体如何しようかと、毎年頭を悩ませる時間は何とも楽しいものであって。彼が成人してから今日に至るまで、酒を酌み交わす機会は残念ながらなかったのだけれど。いつかそんな日が訪れれば良いと、以前交わした約束を思い出したから――昨年同様、配達人へと託す形にて預けたのは小さな包み。開けば中より顔を出す透明なガラスで出来たロックグラスは、同一のものが一条の部屋にも鎮座しているのだと伝える日が来るとすれば、約束が果たされる其の日か――。)
|