※半角英数字4-8文字
i 月下直緒様

328. サンタクロース
... 2018/12/25...Tue // 21:03:42

(本来ならばクリスマスの朝には彼のもとに届いているべきだったのだろうが、何せサンタクロース本人がのんびりやなもので。気付いたら25日の夜になってしまったことは謝るほかないが、姿を見せないのがサンタクロースでもあって。陽が暮れ始めたころ、「つきの湯」の門前に届けられた緑の紙箱には赤く輝くリボンが結ばれ、「月下直緒様」と丁寧な文字の書かれたカードが挟まっているから、クリスマスに湯を浴びに来た島民の誰かが番台へと届けてくれるだろう。中に入っているのは虹色のサンタコスチュームを身に着けたクマのぬいぐるみと、これまた虹色のラインストーンが無数に詰め込まれた小さな袋。のんびりやのサンタクロースからの気まぐれな贈り物が、彼に喜んでもらえればいいのだけれど――)

―――――――――――――――

Merry Christmas!
一年間いいこだった直緒くんに、サンタクロースからのお届けものです。

ポケベルのでこ?にお役立てください。

―――――――――――――――

328...... 月下直緒様 ...... サンタクロース  
337...... サンタさん! ...... 月下直緒


i ニコに。遂にこの日が来たな、去年から待ち遠しくて仕方が無かった。

335. 不動一生
... 2019/02/05...Tue // 18:14:22

(――よし、と頷いた警官の表情には会心の笑みが浮かんでいる。彼と話をする内に、あれもこれも揃えたいと願ったものの全てが、ひとまずはここにある。ショートケーキワンホール、かぼちゃのプリン、それと、ふかふかとした犬の抱き枕。犬種は色々あったのだが何となく、自己顕示欲を潜ませたくていつか話題に上がった柴犬を採用した。これを見てちょっとでも、彼が自分を思い出す時間が増えればいい。ひとつ頷いて立ち上がると、赤いジャンパーを羽織って階段を下りる。交番を出て、握りしめていた手紙をポストに――と思いきや通り過ぎて、向かったのは彼の自宅である。在宅か不在かは確かめなかった。ことん、とポストへ入れたのはいつもの、茶封筒に白い便箋ではなく、一枚のメッセージカード。淡い水色の封筒を開ければ、はがきサイズの厚手のカードがお目見えする筈。絵柄はやはり、犬。愛らしくイラストにされた白い犬が、クリーム色の毛並みの兎を頭に乗せて、無邪気に手紙を銜えて走っている図柄である。ふきだし型のメッセージ欄には、お約束の角ばった字でこう綴られている)


ニコに。

思えばこの日の話題が出たのは去年の冬だったな。一年近く待ったという訳だ。
君は何度も、俺が忘れるのではないかと案じていたようだが、この通り。
手帳にもカレンダーにも書いておいた俺に抜かりはなかったし、
そもそもそこまでせずとも自然に覚えていられたのは、まず言っておきたい。

今日はこっちの家で晩飯を食っていってくれ。時間ができたらいつでも来て欲しい。
渡したいもの、一緒に食いたいもの、言いたい事が沢山ある。


(招待状を届け終えてから、この後のために今日の分の仕事を早めに終わらせた警官は来た時と同じく、自転車に跨って風を連れて去って行った。――やがて彼がやってくれば、どんな顔をしようかまでは決まってないけれど、言いたい言葉は決まっている)

(この世界に生まれてきてくれて有難う。――今日はニコの日、自分にとっては、あなたのためだけの日なのだと)

335...... ニコに。遂にこの日が来たな、去年から待ち遠しくて仕方が無かった。 ...... 不動一生  
336...... 一生、覚えていてくれてありがとう。…ほんとに、嬉しい。 ...... ニコ


hn4 景虎さんに、新年のご挨拶を。

332. 山田太郎
... 2019/01/03...Thu // 22:47:28

(――できた。と思った瞬間に、燃え尽きていた。自室の机に突っ伏し意識を失った数時間後。前触れなくがばりと起きた神父は、一人あせあせと周囲を見回す――果たして、さっきセーターが完成したのは夢であろうかと。手元を見る。二着一組の毛糸のセーターがそこにきちんと実体をもって存在していた。ああ、よかった。螺旋の凹凸が模様として絡み合うローゲージニットのデザインは二着とも同じだが、使われている毛糸の色が違う。相手に渡す方はローアンバーの落ち着いた色調。自分の分にと作った方はカソックと同じ真っ黒だった。ぱたぱたと暫く教会内に足音が響く――真っ白な包装紙にセーターを包み、ナイトブルーのリボンをかける。キッチンへ下りれば、合間合間に時間をみつけて煮込んだお節を小さめの重箱に詰めていく。一通りの支度が済めば、荷物を両手に裏口から教会を出た。片手には得意げに、クリスマスの折に預かった『秘密兵器』を携えて)

(通い慣れた管理小屋の前に到着する。相手は不在のようだ。手首にセーターの入った紙袋を引っ掛けて、唐草模様の風呂敷に包んだ重箱を片腕に抱えたまま、大事そうに持っていた合鍵を錠に差し込む。かちゃん。半回転し、開錠のしるしが聞こえれば静かに扉を開けた。――幾度となく共に食事を楽しんだテーブルに真っ直ぐ歩めば、まず重箱を、次に隣へセーターの入った包みを袋から出して置いておく。傍にある椅子が無性に、自分を引き留めている気がした。ここへ座って、相手の帰りをゆっくりと待ちたい誘惑が。そっと手袋を外した片手で、角の取れたテーブルのふちを撫でた。長い前髪の奥、双眸が静かに微笑んだ)…ああ、でも、…行かないと。(自分に言い聞かせる独り言が、家主の居ない部屋に響いた。しんと静寂が戻って来るのを待ってから、懐からメッセージカードを一枚。招き猫のシルエットが赤いインクで描かれた名刺大の厚紙には、流れる文字で文字が綴られていた)

『明けましておめでとうございます。お約束の品をお届けに参りました。
 セーターは気づけば徹夜で
(【徹夜で】の文字は慌てた筆跡で二重線により消されている)
 いえ、ちゃんと早起きをして健康的に編み上げました。
 お気に召しますように祈っています。』

(そっと指を組み合わせて、事実祈りを捧げていた。はっと気づき、手を下ろせばいそいそと踵を返す。戸口まで来て、往生際悪くちらりと後ろを振り向くも、それが最後。今度こそ、突然の訪問者は扉を閉めて鍵も元通りに掛け直すと、姿を消した)

332...... 景虎さんに、新年のご挨拶を。 ...... 山田太郎  
334...... 太郎は、良い新年を迎えられたか? ...... アンバー


h 霧人くんへ

331. 福永正愛
... 2018/12/30...Sun // 23:07:01

もうすっかり年の瀬だね。寒いけど、元気にしてる?風邪引いてない?
まだきちんとお礼が出来ていなかったから、こうしてお手紙を書かせてもらったよ。
ちなみに、これを書いている鉛筆はプレゼントの鉛筆削りで削ったものなんだ。

ブックマークとブランケットも貰ったのに、こんなに素敵な鉛筆削りまで…。
プレゼントだけじゃなくて、幸せな驚きとか嬉しさとかも、ありがとう。
貰ってばかりで申し訳ないなって思うけど、涙が出るほど嬉しくて、胸が一杯だよ。
あれから、一日に少なくとも一回は地球儀を回している気がするよ。
それに、使うあてもないのに鉛筆を削っちゃったりもして。
あんまり削りすぎて、もう削る鉛筆もなくなったのが、ちょっぴり残念かな。

もうすぐ今年も終わるけど、今年は霧人くんにとってどんな一年だったんだろう。
笑顔に溢れたものであったらいいなって思ってるよ。
僕も、本当に温かくて楽しくて、満ち足りた一年を過ごさせてもらったよ。

ちょっと早いけど…今年も一年、本当にお世話になりました。来年もよろしくね。
良いお年をお迎えください。

P.S.
これで好きなお酒を楽しんできてくれたら、嬉しいな。

(削りたての鉛筆で書かれたような文字の手紙に同封されるのは、一枚のチケット。内容は、宵宿のドリンク1杯無料券。伝手で手に入れたらしいそれは、同じく最近酒を飲めるようになったばかりの彼に贈りたくて。)

331...... 霧人くんへ ...... 福永正愛  
333...... 正愛くんへ ...... 杠霧人


c 神父殿へ

326. アンバー
... 2018/12/25...Tue // 00:14:27

(今宵はクリスマスイブ。本番を明日に控え、少しだけ夜更かしする人が多い特別な日。神父である恋人も、今夜から明日にかけて目の回るような忙しさだろうことは承知済みであるから、このイベントは大概贈り物をすることで愛おしいこの想いを伝えてきた。しかして、己は知ってしまったのである。回想に見上げた夜空に瞬く星。今でも思い出せる、去年のクリスマス。扉を開けた先に在った、白い発泡スチロール箱を抱える黒衣の、輝く幼子の笑み。リアリティが齎す強烈な光。男が向かう先は、教会だった。)
………。(ほのかに暖かな光を灯す教会。井戸端で話していたフリーダムツリーに歩み寄り、完成してから此方様々なオーナメントが下げられた賑わいを微笑ましく見つめるとポケットからひとつのオーナメントを取り出す。小さく唸り、考え込むような素振りをすること暫し、結局リースの隣にさげると、そのまま扉前へ向かい、音を響かせぬよう開け身を滑らせた。己の大柄の身体は酷く目立つが、今は説教の時間なのだろうか。大勢集まる信徒達の視線は熱心に恋人に向けられている。入口付近の一番端の椅子に腰を降ろして、静かにその声に聞き入った。時に和らげた黒檀でその姿を見つめながら、時に心に染み入る声に癒されるが如く瞳を閉じながら。左手の銀の環を右手の指先が優しく撫ぜる。やがて一段落終えた時間の隙間を見つけて、男はゆっくりと教会を後にする。その前にとポストに入れたのは、用意していた封筒。中には一枚のメッセージカードが入っている。)

Merry Christmas, my love.

(その裏には、)

例のツリーのオーナメント、
リース傍にさげた青リボンのプレゼント箱に今年のサプライズを仕込んだ。
取り外す時は、是非お前の手で。

(プロポーズをあの日に終え、今更感は拭えまい。しかしてフリーダムツリー製作時から朧気に計画していたのだ。あの時にまさか『する』と予想できなかったとえはいえ…今更他のものをという考えも己には思いつかず。いやむしろ早く手渡した方がいいと決行を決意し、封筒を投函した男の表情は複雑に困った風に笑っていた。オーナメント風の青いリボンのプレゼント箱。中身は、墓地管理小屋 暗夜家の鍵である。
Merry Christmas, my love. どうか心穏やかで幸せなクリスマスを。)

326...... 神父殿へ ...... アンバー  
330...... 景虎さんに。 ...... 山田太郎


i 一生に。

324. ニコ
... 2018/12/24...Mon // 23:03:53


Merry Christmas

To.一生

ただの平日だけど何もしねぇのも味気ないかな、と。
でも欲しいもん聞いてないから分かんねぇし、
いつでもいいから教えてくれ。


 Nico

(最近は冬なのに温かい日もあり、気温差も大きい。彼の誕生日の時と同じように夜に交番前をうろつく姿は不審者じみているかもしれない。交番の前にテープで貼りつけられたのは手作りの小さなリース。サンタのフェルト人形や雪を模した小さな綿。既存品の飾りなどがつけられてはいるが世界に1つの品であることは確か。そのリースに飾りと一緒に剥がせるようにくっついているのは長方形の封筒。中には短いメッセージが添えられている)


324...... 一生に。 ...... ニコ  
329...... ニコへ ...... 不動一生


a 宿里恭一郎様

325. ***
... 2018/12/24...Mon // 23:45:24

(──例えば人目に付かない場所にそっと呼び出した相手に手渡す恋文。そういった状況ならいざ知らず、手紙とは郵便ポストに投函するものだと習慣で思い込んでいた。が、この島では家を訪ねて直接届けることもあるようだ。実際自分が受け取ったレポートも紅い宝石も花も、直接店のポストに置いていったと思われる節があった。それはつまり今までの全部では、と思い至り今度は自分が届けに行くことにした。今日のために作っていたプレゼントを箱に丁重に収めたなら、落ち着いた赤の包装紙できっちり包んで控えめな白いレースのリボンにメッセージカードを挟み込む。矯めつ眇めつ僅かな緩みやズレのないことを確かめた包みを携えて、暗くなったクリスマスイブの住宅街に歩き出した。冬の夜気が頬から熱を攫っていくのも今は心地良く、時折空を見上げて星が輝くのを眺めながら歩けば目的のアパートに着くのもすぐだった。ポストの上に両手に捧げ持つ包みをそっと置いた)………………。(何か祈るように首を垂れることしばし。やがて踵を返して、また星を数えながら歩いていくだろう)


(カードに綴られた文面は聖なる夜には少しばかり物騒で自分たちらしいもの。正直な文字はひたすらに静かで、何かを──例えば楽しさに浮つく気分を──取り繕う気配が色濃く残っている)

この時計はぼくの心臓です。
観るも暴くもお好きなように。お任せします。
あなたのための血を蓄えて、あなたのために滴らせるでしょう。

Merry Christmas.

(箱の中には丁寧に緩衝材に包まれた時計が収まっている。ホワイトウッドの立方体の一面が極めてシンプルな文字盤となっている時計は、付属の台座に乗せることで文字盤の面が見やすい角度で──粘土に固定された鉱物標本のように──置けるようになっている。何の変哲もない置時計は背面に仕掛けが施されていて、良く観察すれば角の1ヶ所に別のパーツが填め込まれていると分かるだろう。そこから3回ずらせば細工箱のように開いて、立方体の中に忍ばせたもうひとつの贈り物が現れる。それは銀色の指輪、いつか自分の血を飲みたいと言った恋人のために作った牙)

325...... 宿里恭一郎様 ...... ***  
327...... 黒野さんへ ...... 宿里恭一郎


g 杠 霧人 様

319. 黒野
... 2018/11/02...Fri // 02:44:33

(深緑のクレープ紙に細い金のリボンを掛けた箱はサイズの割に重みがある。箱を開ければ酒だと一目で分かる、黒い瓶が収まっているだろう。添えられているアイボリーのメッセージカードに綴られている言葉は──)


誕生日おめでとう。

前におでんを食べた時、お酒の話をしていたのを思い出したからリキュールを贈ります。

クリームリキュールだからお酒っぽさはあまり無いかも知れないけど、
温かい紅茶やコーヒーに合うからこれからの季節には良いと思います。
仕事の合間に一息入れるお供になったら嬉しいな。


  未来のマエストロに、時計屋より


319...... 杠 霧人 様 ...... 黒野  
321...... 未来のオレの顧客へ ...... 杠霧人
323...... 杠 霧人 様 ...... 黒野時計店店主ならびに名誉店主


i きりとくんへ!

320. ぽち
... 2018/11/02...Fri // 02:47:30

きりとくん

こんにちは! ぽちです
おたんじょうび おめでとう!
おれの たんじょうびのとき てがみくれて うれしかったから
おれも てがみ かきます!
おれ てがみ すきなんだ!
だから すっげー うれしかった!

きりとくんままに ぷれぜんと あります!
ぺんぎんの ぬいぐるみ あったよ!
おもいでの ぺんぎん みたいだったから!
もし さみしくなったら だきしめて ねてね!

また あそぼーね! ばいばい!

ぽち

(今年彼からもらった手紙は大事に大事に箱の中。それを取り出しては、嬉しそうにクスクス笑いながら何度も読み返す。それに満足すれば色鉛筆を持ち出して、ペンギンの絵が可愛らしく描かれた便箋に文字を躍らせていく。カラフルに書かれた文章は多少読みにくいかもしれないが、当の本人と言えば達成感に満ちていた。手のひらサイズのペンギンのぬいぐるみに手紙を添えて、彼の瞳みたいな蜂蜜色の袋に綺麗に包んでもらった。それを配達人に預ければ、きっと大切に届けてくれることだろう―)

320...... きりとくんへ! ...... ぽち  
322...... ポチさんへ ...... 杠霧人


f きょーさんへ!

318. ぽち
... 2018/10/31...Wed // 23:22:28

きょーさん げんき ですか?
げんきで いて くれると いいな
おれ きょーさんに てがみだしたこと あったっけ?
いっぱい だしておけば よかったなって ちょっと こうかいしてます

はじめて あったときのこと おぼえてるかな?
おれは ずっと おぼえてるよ!
こうしえんの はなし したよね
あのときから きょーさんは おれの あにきみたいだなって おもってた
きょーさんは いつもかっこよくて おれすっごく あこがれてた
きょーさんは そらが すきだったよね
おれも そらが すきな きょーさん だいすきだよ!
あおいそらを みると きょーさんのこと おもいだします

こんど きょーさんに あえたら
きょーさんあそぼー!って いうよ!
そしたら おれと あそんでね! きゃっちぼーる しよー!
おれも きょーさんみたいに かっこよく なるからね!
そしたらさ また おれのあたま なでてね!

きょーさん げんきでね!
おれのこと わすれないで いてくれる?
そうだったら うれしいです!

ぽち

(彼に思いを伝えたくて、けれどいざ鉛筆を手にしてみると、不思議なことになかなか筆が進まなかった。それよりも、言葉に言い表せない思いばかりが沸き上がる。彼は自分の空だった。遠くて、とてもじゃないが手が届きそうにない。けれど見上げればいつだってそこにいてくれた。彼は自分のことをどう思っていただろうか。少しでも、記憶に残ってくれているだろうか。こんなこと本人には恥ずかしくて聞けやしないけど。とにかく、晴れた大空みたいな彼はきっとどこへ行っても自由でいてくれるだろう。それだけでいい。空を見て、彼を思い出して笑おう。きっと泣いてほしいなんて思っていない筈だ。迷惑をかけてしまうかもしれないが、この手紙は自分で渡すのは恥ずかしいので、島長に預けることにした。預けた彼女にペコリと頭を下げて笑った。「きょーさんには夢を叶えて欲しいんだ!オレ応援してるから!」なんて言葉を残して役所を後にする―)

318...... きょーさんへ! ...... ぽち  




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